男性看護師がターミナルケアの仕事をする時に直面するのは、精神的な負担です。手を尽くして看護をしても、患者さんは死を迎えてしまいます。そのことはこの仕事をしていれば分かっているつもりですが、なかなか受け入れがたいことがあります。特に自分が中心になってケアをした人の死は大きな痛手です。女性の看護師にくらべて男性の看護師は、自分の能力を過信することがあり、急に患者さんが亡くなってしまった場合は、自分の能力に疑問を感じたりします。
仕事と家庭の両双方のバランスに悩む人も少なくありません。ターミナルケアの仕事は負担が大きく、残業や夜勤も担当しなければなりません。担当している患者さんを全力でケアした場合は、家庭のことがおろそかになってしまうことがあります。家族との触れ合いを大切にしようとしても、家に帰れば疲れが出て、寝ることが多くなる人は少なくありません。
このように自分の仕事の負担が大きくなったら、転職を考えるのが良い方法です。自らで無理なく働ける職場を探します。ターミナルケアの仕事で得たスキルや経験は他の病院でも生かすことができます。例えば認知症の専門医のいるクリニックで働けば、前の仕事で身に付けたコミュニケーションの能力を生かせます。認知症の患者さんもターミナルケアの患者さんと同じように、優しく思いやりをもって接しなければならないからです。さらに残業や夜勤の少ないところだったら、家族と触れ合う時間を増やせます。
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